これから移住や赴任でアメリカに住む小さいお子さんをお持ちの皆様、特に現地校に通う小学生以上の方は新しい環境に期待と不安を抱えられているのではないでしょうか?
こちらの記事では現地校に通うための事前準備や手続きについてお伝えしました。
この記事では、実際に子どもが通ってみてわかった知っておくと心強い日本の小学校との違いや共通点をご紹介します。
尚、カリフォルニア州サンノゼの現地校経験に基づいて記載しているため、州や学区によっては当てはまらないケースもあるのでご了承ください。
一年のカレンダー
学校の一年は8月中旬から次年の6月上旬までです。途中にはサンクスギビング、冬休み、年度中間休み、春休みの連休があります。その他にも法定休日や教師の勉強日等の名目で数日の休日があります。
義務教育は5才のKindergartenから始まります。その年の9月1日までに5才に到達する子どもがKindergartenとして8月中旬から通い始めるので、日本基準では幼稚園年中もしくは年長の年から義務教育です。
小学校はKindergarten、1st Grade、2nd Grade・・・5th Grade(日本の5年生相当)と進級していき、6th Gradeからは中等学校になるので別の学校に通います。
服装や持ち物
服装は自由です。教室の床に座ったり、PE(体育)は着替えをしないで行うので女の子はスカートよりもレギンスの子が多いです。
バッグも自由ですが、バッグパックを持っているお子さんが大半です。バッグパックにはお弁当、お菓子、手紙・宿題連絡用ファイル、服が汚れた時用の着替えを入れていきます。
バッグパックにすっぽり入る大きさの画像のようなお弁当バッグもアメリカの子どもに人気があります。
ちなみにお弁当の持参は必須ではなく学校で販売している食事を購入することも可能です。
学習用の教材や文房具は学校に用意されているので持参不要です。特に低学年ではプリントが配られて勉強します。
学費と寄付金
現地の公立学校では義務教育のため学費は無料です。その代わり寄付(Donation)の機会が年に数回あります。
一番額が大きいもので年一回生徒一人につき$400推奨の寄付募集がありました。もちろん強制ではなく、額も自由です。その他はイベント毎に$10〜20の募集が多かったです。
$400は学校の教育水準を向上させるための教材やiPad等の電子機器購入に充てられるということでした。
政府から支給される補助金は必要最低限の教育を行うために必要な額で、子どもにより良い環境を提供するために皆で寄付をします。
一番寄付金の額が多かったクラスにはご褒美にピザパーティーが催されました。
お金だけではなく子どもたちが学習に使う鉛筆やポストイット等の実用品の寄付募集やボランティアの募集も通年行われています。
登下校
アメリカでは安全のために小学生は毎朝親が小学校まで送迎するか、スクールバスで登下校します。車で送り迎えをする人が大多数なので、送迎時間帯は学校の周辺道路が路駐の車で埋まります。
ドライブスルー用のドロップオフ&ピックアップエリアも設けられており、学校職員の方が子どもの乗り降りを手助けしてくれます。
教室には始業の時間まで入れないので、先生がドアを開けるまで扉の前で親と子が待つ形になります。
日本の小学校で入学直後から小さな子どもが一人で通っている姿を見ると、アメリカとは安全面や危機意識の違いが大きいと実感します。
教室
日本の学校と作りが根本的に異なります。
学校としての玄関はなく、外から各教室に直接入ることができます。高校の部室のようなイメージに近いです。
教室の中には土足で入り、トイレや水道、ミニキッチン、先生のデスクも各教室内にあります。特にトイレの個室が教室内にあるのは日本人の感覚からすると新鮮です。
授業
国語(英語)、算数、社会、理科、体育、美術、音楽等の授業があります。特に社会では低学年のうちからアメリカ国旗やカリフォルニア州旗の説明、アメリカの法定休日が近づくとその成り立ちについて説明する授業が展開され、自然と愛国心が醸成される仕組みになっていると感じました。
渡米したばかりで英語がわからない子どもには別途ESD(English Language Development)クラスが開かれます。ESDクラスの子は授業に追いつくために通常授業の一部の時間(1日30分程)を使って、教室の一角で英語初心者用の別授業を受けます。
移民が多いアメリカならではのシステムで、移住者にはとても嬉しいサービスです。
スナックタイム
子どもたちが学校で大好きな時間の一つにスナックタイムがあります。午前中の授業の合間に自宅から持ってきたお菓子を食べます。
日本とアメリカの小学校をどちらも経験後に子にどちらが好きか尋ねると多くの子が「アメリカの方がスナックタイムがあるから好き」と答える程、子どもにとってはモチベーションになっているようです。
量は詰め合わせ菓子の小袋1袋程度です。フルーツでも構いません。アレルギーの子が多いナッツ類は持ち込みが禁止されています。
私の子どもは一回他の子にお菓子を盗られたと憤慨して帰ってきたことがあるので、トラブル時に先生が判断できるように可能な限りお菓子には名前を書いておくことをお勧めします。
イベント
一年で一番大きなイベントはハロウィンで間違いないでしょう。子どもたちは朝からコスチュームやドレスアップした姿で登校します。
学校から事前にハロウィンイベントの案内が通知されますので、家族も学校に集まります。衣装を着て臨む親も多いです。
イベントの時間になると家族が見守る中、仮想した生徒と先生が校庭でパレードをします。Kindergartenから5th Gradeまですべての子が参加します。
パレードの次にはクラスごとに別れてその日に向けて練習してきた合唱を歌って、集合写真を撮ります。その後は親が持参した通常の服に着替えて楽な格好になった後、持ち寄ったお菓子の交換をしたり残りの授業を受けたりします。
学校が終わって家に帰ってきたら再度コスチュームに着替えて今度は近所の家を回ってお菓子集めです。
その他にも遠足や、親たちが出身国の郷土料理を持ち寄るポットラックパーティー、生徒がカードを交換し合うクリスマスやバレンタインズデー、パジャマのまま登校するパジャマデーや変な髪型で登校するクレージーヘヤーデー等楽しいイベントが定期的にあります。
休みの連絡
休む場合は学校に連絡が必要です。私の子どもが通っていた学校では電話の自動音声でクラス、生徒の名前、休む日数、休む理由を吹き込む形式でした。
義務教育のため許可のない私的な理由(家族休暇や家族旅行)で10日以上休むことは禁じられているため、そのような場合は学校に特別な申請用紙を提出しましょう。各学校のホームページから入手可能です。
学校面談
年に一回保護者と先生の面談があります。面談は学校の教室で行われ、面談がある週は子どもは早帰りになります。
面談の予約はネット上で空き時間を指定する方式でした。多くの学校で電子化されているはずです。
面談では日本の学校と同じように子どもの様子を先生から伝えられます。教室の中に入って子どもたちの作品や絵画も見る良い機会です。
おわりに
アメリカの小学校に通う前に知っておくと心強い10のことをご紹介しました。
在米日本人はとても多く、地域によっては1クラスに2~3人の日本人がいるケースもあります。日本人同士の助け合いコミュニティもできあがっていることが多いため、英語が不慣れな方でも心配しすぎる必要はありません。
異国での生活は大変さに勝る楽しさと発見があります。お子さんのアメリカ小学校生活が楽しいものになることを願っています。